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『人を評価するのは難しい。。。②』【Vol.0013】

皆さま、こんにちは。 福岡県中小企業振興センター専門家派遣プロジェクト

マネージャーの林です。 

 

前回は人事評価制度を導入・強化することへの期待や意義について考えました。

 

今回は中小企業において人事評価制度を作っていくにあたって留意すべき点をいくつか考えてみます。

 

ときどき大企業で採用されているような壮大で堅固な制度が導入されている中小企業を見かけます。

 

そして、その実態は制度の運用に苦労して結果として評価がおざなりになってしまう、何のために評価制度を導入したのか分からない状況となっていることも少なくありません。

  

人事という観点から大企業と中小企業とでは次のような点が異なっています。

 

・ 新卒採用中心か中途採用中心か

 

・ 年功主義的な傾向が強いか弱いか

 

・ 人事を専門とする部署があるかないか

 

・ 中小企業では部署や職種をまたいで一人で何役もこなしている   など

 

これらを考えてみると、中小企業において大企業のような制度を運用していくことはたやすいことではないことが分かります。 

これらの特徴を理解し、企業の実態や身の丈に合った制度を導入することが望ましいでしょう。

 

わたしは次のような視点が大切ではないかと考えます。

 

 ・ すべてを制度化するのではなく、社長や管理者の思いが入る余裕も残しておく

 

 ・ 社員からのフィードバックを大切にし、運用しながら制度を育てていく

 

 ・ 賃金制度だけではなく育成制度・モチベーションアップの制度と捉える

 

特に3つ目の点は、当面人事評価制度を導入する予定がない企業でも有効な視点と思います。

 

社員ひとりひとりと適切な目標について話し合い、それを書面化していくだけでも人事評価制度の第一歩ということができ、しかも費用もほとんどかかりません。

 

「社員の成長が会社の成長」という土台があってこその制度ということなのかもしれません。

   

人事評価制度というと、会社から評価されるものというイメージがあり、少なからず負担を感じている社員も多いかも知れません。しかし、人事評価制度=人が人を評価するだけのものではない、と知ることによって社員にとっても意義あるものに変わっていくかも知れませんね。  

 

それでは、また次回。