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『探Qワークショップ体験版 ~ 哲学対話を行って』【VOL0020】

皆さま、こんにちは。

福岡県中小企業振興センター専門家派遣プロジェクトマネージャーの林です。

ずっと暖かくて福岡にしては長い秋だったように思いますが、最近ようやく冬らしくなってきました。

 

ところで、秋は何か物事を始めたくなる季節ですね。

晩秋の119日(土)当センターでは哲学対話をベースとした「探Qワークショップ」を開催いたしました。

 

哲学対話とは、身近なことを含めあらゆる事柄に「なぜ?」という問いを立て、これを深掘りしていくものです。疑問や考えを安心して自由に話し、同時に参加者どうしで互いの話を聴き合う場です。

 

今回は、経営者の方々を中心に集まり、「会社とは?」という問いについてそれぞれが自分の考えを話し、様々な人の意見を聞きました。

 

「忖度」という言葉が流行りましたが、あらためて自分自身を含めて見渡してみると、相手に話を合わせること、相手の立場で立ち振る舞いを変えること、上下関係や損得勘定が意思決定の最大の要因となってしまっていることに気づきます。

 

個人としてそのような行動規範を持つことを、他の人が咎めたり揶揄したりすることはできません。

 

しかし、これが組織(社会)の行動規範となったとき、その組織はどのようになるでしょうか。

「コミュニケーション能力」と称して無難でそつのない人の集団となること、組織内の「地雷を踏まない」ことや「空気を読む」ことにエネルギーが割かれ、社会(ビジネスの視点では市場・顧客)を観察すること、世界の潮流を読むこと、まわりの健康などに目を向ける余裕がなくなるということはないでしょうか。

 

この風潮は昔からあったものなのかもしれませんが、日本が低迷しているこの数十年のあいだにさらに強まったように思います。

 

たまにはビジネスの世界から離れた空間に身を置き、自身と自身を取り巻く様々な事象を客観的に見つめ考えること、利害関係のない人と交流して自分自身を広げること。

これは、組織(社会)を活性化させ明るくする起点となるでしょうし、ますます激しくなるであろう競争社会への対応力を培うものとなると思いました。

 

良いチームワーク、問題解決に対する柔軟な発想、新事業・商品開発など、高い生産性を達成するために、

まずは身近なところ(たとえば社内)で対話を促進する場をつくってみませんか。

 

当センターでは、対話を用いた「組織改革」や「社員の意欲の変化」などの経営改善のお手伝いをする支援も行っております。ご興味を持たれた方は、お気軽にご相談ください。