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『3K職場の環境改善~経営者としての取り組み② 』【VOL0032】

 

新年あけましておめでとうございます。振興センター専門家派遣プロジェクトマネージャーの林です。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、前回は、いわゆる3K職場でよくみられる問題点について例を挙げました。もともと人を確保することが難しい3K業種において、人が定着する企業となるために、どのような対応が考えられるでしょうか。

 

①業務の「見える化・しくみ化」

一連の業務について、その流れ(フロー)が整理され、担当者で同じ情報が共有されていることが大切です。

 

例えば、フローのなかで各部門が自分たちの使いやすい様式で伝票を作り、同じ案件・情報を扱っているはずなのに、複数の伝票(様式)が存在しているということがしばしば見られます。

これは途中入社を含む新入社員にとって業務が見えにくく、いちいち誰かに確認しなければならないなど、負担が重いものです(当然、業務として非効率です)。

 

業務フローを整理して手順書としてまとめるなど、新人にも分かるように見える化してみてください。

 

②教育体制が整っていない

中小企業では、社内に教育制度が整っていないことが一般的です。OJTはコストをかけずに教育する手っ取り早い手段です。

しかし、教育者(先輩)のスキル(技能スキルや教育スキル)に頼る、教育機会が偶然性に頼る(ある事象が起こって、はじめて教育の場が生じる)など、偏りが生じやすいものです。

 

したがって、OJTでもしっかりとした教育プログラムに則って計画的に教育を進めることが大切です。

 

③仕事が評価されない

上記の計画的な教育プログラムを発展させれば、簡単な評価制度ができ上ります。

 

当社は何を目指し、社員にどういう人材になってほしいかを明確にします。

そして、これにむかってそれぞれのポジションにどのような業務、目標を達成してほしいかを明確にすることで、社員に目標を持たせると同時に、社員のがんばりを評価する指標となります。

 

さて、これらは特に3K職場で特に必要とされる方策ですが、よく考えてみるとすべての企業に当てはまるものです。

世間で『ブラック』といわれるような企業の体質は、このような人を育てる基本的な体制が構築されていない(あるいはかたちだけ)ことからきます。

 

この情報化の時代、企業の評判はすぐに広まります(悪い評判ほどよく広まります)。

 

ですから、3K職場の改善には、できるだけ早く取り組んでいただきたいものです。